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2)河川輸送が成立するための必要条件、問題点及び実現可能性
河川輸送の必要条件については、阪神間の海上輸送区間と航行距離がほぼ同じであるため海上輸送の項で述べた水準と同程度の「料金」、「所要時間」、「利便性等」における条件を満たす必要があろう。
現状だけから見ると、先にも述べたように淀川を利用したコンテナ輸送には問題が多い。水深、航路幅、橋梁と水面とのクリアランスなど、淀川そのものの特性がコンテナ輸送に適してない。橋梁の架け替えなど船舶の運行を可能にするための施設整備が必要である。さらに、河川の整備、新たな河川専用船の開発など体制整備に多額の費用を要することとなる。
仮に、これらの前提がクリアされてもなお海上輪送の項で述べたコスト、所要時間等の点でコンテナ輸送に求められる諸条件を満たせないケースが想定されるなど、現段階では実現は非常に困難である。
しかしながら、河川におけるコンテナ輸送の促進により災害時における代替輸送手段の確保が図れること、環境問題、道路渋滞問題の改善に資すること、海上輪送との組み合わせ輸送で距離を長くすることによりコストなどコンテナ輸送に求められる必要条件を満たす可能性が高まること等から、その導入によるメリットは大きいと考えられる。
また、トラック事業者のアンケートにおいても渋滞等により問題の多い道路として国道1号(大阪〜枚方間)があがっており、コンテナ輸送に求められる条件を満たせば一定の輸送需要はあると思われる。さらに、河川管理者サイドにおいても21世紀にふさわしい河川利用のあり方を検討するなどの動きがあることから、これらの動きに合わせて今後も河川によるコンテナ輸送促進の検討を進めていく必要があると考えられる。
ここでは、淀川におけるコンテナ輸送が可能となった場合の河川港のイメージを示すこととし、今後の検討の一助にしていきたいと考えている。

 

 

 

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